愛着スタイル

愛着スタイルが原因?「結婚前後で恋人との関係が変わる」理由と対策

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「結婚する前は仲が良かったのに、結婚して一緒に暮らし始めてからすれ違いが増えた気がする……」そんな悩みを抱えるカップルは少なくありません。その原因の一つとして注目されているのが、「愛着スタイル」の違いです。この記事では、結婚前後で恋人との関係が変わる理由と、愛着スタイルがどのように影響を与えるのか、そして対策方法について詳しく解説します。

管理人・村田
管理人・村田

愛着スタイルとは、人間関係をどのように築くかを左右する心理的な傾向で、幼少期の養育環境や体験が大きく関わると言われています。


愛着スタイルとは何か?

4つの愛着スタイル

愛着理論では、対人関係の築き方を大まかに以下の4つのタイプに分類することが一般的です。

  1. 安定型愛着(Secure Attachment)
    • 自他ともに肯定的なイメージを持ち、適度に相手を頼ったり、助けを求めることができる。
    • 対人関係において安定感があり、自己肯定感も比較的高め。
  2. 回避型(Avoidant Attachment)
    • 他者との距離をとりやすく、親密さを避けようとする傾向が強い。
    • 依存されることを過度に嫌がったり、自分が弱みを見せることを避ける。
  3. 不安型(Ambivalent Attachment)
    • 親密さを求める一方で、相手の態度次第で極度に不安になったり、感情が揺れ動きやすい。
    • 見捨てられ不安が強く、相手のリアクションを過剰に気にする傾向がある。
  4. 未解決型(Disorganized Attachment)
    • 相手との距離を取りたい一方で、強い不安や恐怖を伴いながら近づこうとする矛盾した行動が見られる。
    • 過去にトラウマや混乱した養育環境があった場合に見られやすいとされる。

愛着スタイルが変化をもたらす理由

力を合わせる

愛着スタイルは、基本的には幼少期から思春期にかけて形成されるといわれています。しかし、それは「絶対に変わらない」ものではなく、大人になってからの恋愛や結婚生活などの重要な体験を通じて、より安全型にシフトするケースもあります。逆に、不安定な環境下に置かれたり、パートナーからの支えが得られない状況が続くと、不安がさらに強まったり、回避傾向が深まることもあるのです。結婚という人生の大きな節目は、まさにこの「愛着スタイルの影響」が顕在化しやすいタイミングと言えます。


結婚前後で恋人との関係が変わる理由

生活環境の大幅な変化

結婚前は、別々の家で暮らしていることが多いため、デートや連絡のタイミングをある程度コントロールできます。ところが結婚をして一緒に住み始めると、プライベート空間が共有され、相手の習慣や生活リズム、金銭感覚、人間関係などがダイレクトに影響を与え合うようになります。この急激な変化に対して、不安-回避型の人は「自由がなくなった」と感じたり、不安-アンビバレント型の人は「もっと相手が自分に向き合ってくれるはず」と過剰に期待を寄せるなど、愛着スタイルの特徴が顕在化しやすくなるのです。

責任感や役割分担の増加

結婚後は家事や育児、仕事、場合によっては親戚づきあいなど、新たに担う責任や役割が増えます。二人だけの恋愛関係から、家族としての立ち位置に変わることで、お互いに求めるものや優先順位が変化するのは当然のことです。安定型愛着の人であれば、こうした変化に対して柔軟に対応しやすい傾向がありますが、不安型や回避型の場合は、相手とのコミュニケーションがうまくいかず、ストレスやすれ違いを生み出すこともあります。

「理想」と「現実」のギャップ

結婚は人生の一大イベントであるため、誰しも大なり小なりロマンティックな理想を抱きがちです。しかし、実際に結婚生活が始まると、パートナーの思わぬ弱点や嫌な面を知る機会も増えます。愛着が不安定な人ほど、「理想の結婚生活」とのギャップにショックを受け、相手への失望感や不安感が増幅しやすいのです。


愛着スタイル別に見る、結婚前後の変化と対処法

回避型の場合

  • 結婚後の変化
    • 一緒に生活することで、相手に干渉される感覚が強まりやすい。
    • 自分のペースが乱されることへのストレスから、より壁を作ってしまう傾向がある。
  • 対処法
    1. 適度なプライベート空間の確保
      各自の部屋を用意するなど、一人の時間を持てる環境を整える。
    2. 相手に気持ちを伝える練習
      「一人でいると落ち着く」「今は考えを整理したい」という言葉で、回避ではなくコミュニケーションを図る。
    3. カップルセラピーや夫婦カウンセリング
      もし深刻なすれ違いがある場合は、専門家のサポートを受けるのも一つの手。

不安型の場合

  • 結婚後の変化
    • 結婚したのだから「もっと相手に愛されるはず」「自分を最優先してくれるはず」と期待してしまい、相手の言動に過敏に反応する。
    • 些細な連絡の頻度や態度の変化を深刻に捉え、見捨てられ不安が増大する。
  • 対処法
    1. セルフケアと自己肯定感の向上
      小さな成功体験を積み重ねたり、自分を褒める習慣をつくってみる。
    2. 依存ではなく協力関係を育む
      「助けてほしい」と思ったら、具体的に相手にお願いする。逆に相手が必要としているサポートにも積極的に応じる。
    3. 不安が強いときは客観視する工夫
      日記をつける、友人や専門家に相談するなどして、思考を整理しすぎないように気を付ける(深掘りしすぎると逆に不安が高まる場合もある)。

未解決型の場合

  • 結婚後の変化
    • 「パートナーともっと心を通わせたい」という気持ちがある一方、「何か怖い」「この人も自分を傷つけるかもしれない」という恐怖感がある。
    • 行動や感情が一貫せず、相手を困惑させてしまうことも。
  • 対処法
    1. 過去のトラウマをケアする
      心の専門家に相談し、幼少期の経験やトラウマの影響を理解する。
    2. 小さな成功体験を積む
      「相手に自分の気持ちを打ち明けたら、優しく受け止めてもらえた」など、少しずつ安心感を得られる出来事を重ねる。
    3. パートナーに協力を仰ぐ
      自分が混乱する瞬間や不安に襲われるきっかけをパートナーに共有し、対策を一緒に考える。

安定型愛着の場合

  • 結婚後の変化
    • 基本的には大きな揺らぎは少ないが、状況によっては不安や回避の要素が出る可能性もある。
    • パートナーが不安定な愛着スタイルである場合、その人をどうフォローすればいいか悩むケースも。
  • 対処法
    1. 相手の愛着スタイルを理解し、適度にサポート
      責めるのではなく、共感する姿勢を大切にする。
    2. 二人の時間を大切にする
      コミュニケーションの機会を増やし、お互いの考えや感情を共有し合う。
    3. 必要に応じて第三者の意見を取り入れる
      夫婦カウンセリングや信頼できる友人のアドバイスなどを活用して、関係を客観的に見直す。

結婚後の関係を良好に保つためのヒント

Communication

コミュニケーションを定期的に取る

結婚生活では、仕事や家事、育児などに追われ、ゆっくり話す時間が取れないことが多々あります。しかし、お互いの状況や気持ちを共有しないまま日々が過ぎると、すれ違いが大きくなりがちです。週に一度でも「二人でじっくり話す時間」を設けるなど、意識的にコミュニケーションの機会をつくるようにしましょう。

役割分担の見直し

家事や育児の分担が偏っていたり、不公平感を抱えていると、不満が募りやすくなります。愛着スタイルがどうであれ、日常生活の不満が解消されないと、相手に対して余計に否定的な感情を抱きやすくなるものです。定期的に話し合って「得意なこと」「嫌いじゃないこと」をお互いに分担し、柔軟にルールを更新していく意識を持ちましょう。

自分自身をケアする

パートナーとの関係がギクシャクする大きな要因として、「自分自身が疲れている」「自分に余裕がない」ということが挙げられます。結婚後は新しい責任も増え、心身の負担も大きくなるため、定期的にリフレッシュできる時間を確保することが重要です。趣味の時間を持つ、友人と会う、運動やマッサージを取り入れるなど、自分を癒やす習慣を続けることで、心の安定を保ちやすくなります。

専門家の力を借りる

カップル間だけでは解決しづらい問題や、深刻な不安や回避行動が起きている場合は、夫婦カウンセリングや心理カウンセラー、精神科医など専門家のサポートを検討しましょう。プロの視点からアドバイスをもらうことで、思わぬ解決策が見つかることも多々あります。


まとめ

結婚前はお互いに余裕があり、相手の良い面がより際立って見えることが多いものです。しかし、いざ結婚すると生活が一体化し、責任や役割が増えることでストレスも高まりやすくなります。こうした状況下で、一人ひとりが持つ愛着スタイルが顕在化し、対人関係のパターンに影響を与えるのです。

不安型愛着を持っている人は、相手の些細な言動に対して過敏になりがちですし、回避型愛着を持っている人は、自分のテリトリーを守るために心を閉ざしがちです。どちらも悪いわけではなく、それぞれが生まれ育った環境や体験によって築いてきた「生きるための術」でもあります。しかし、そのままの状態では結婚生活の中で衝突や不安を増幅させてしまう可能性があります。

大切なのは、まず自分がどのような愛着スタイルなのかを理解し、その特性を踏まえたうえでパートナーとの向き合い方を調整することです。相手のスタイルも尊重し、互いに協力して生活の変化に適応していけば、不安定な関係を安定した絆へと変えていくことは十分に可能です。コミュニケーションをこまめに取り、必要に応じて専門家を頼ることも視野に入れながら、結婚後も二人が安心して過ごせる環境を作り上げていきましょう。

ABOUT ME
村田美咲
村田美咲
Buzzle編集長
東洋英和女学院大学人間科学部臨床心理コース卒業。
大学院進学後心理士および臨床心理士の資格を取得。現在は心理学に関してのライターとして活躍中。
一児の母であり、育児の観点からも愛着スタイルについて発信中です。
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